2016年04月12日

<インタビュー>「韓国人、日本人より楽天的だが、公共の利益に関する議論は不足」

<インタビュー>「韓国人、日本人より楽天的だが、公共の利益に関する議論は不足」
韓国について外国人に質問するのは意味のないことだろうか。「我々の問題は我々が最もよく知っているのに、あまり知らない外国人に何を尋ねるのか」という論理にも一理ある。例外もある。ロバート・ファウザー元ソウル大国語教育学科教授(54)がそうだ。韓国語と日本語を母国語の英語のように扱う。最近「韓国人が知るべき民主主義使用法」というサブタイトルが付いた『未来市民の条件』という本を英語でなく韓国語で書いて出した。言語を知ればその言語を使う社会が見える。日本・韓国でそれぞれ13年ずつ暮らしたファウザー元教授が韓国や韓日関係についてどういう考えを抱いているのか気になった。以下はインタビューの要旨。

--1980年代から韓国の変化像を追跡してきたが。

「米国と韓国は徐々に似てきている。両国の若者が特にそうだ。就職など将来に対する心配が多いため、若者たちは変化を望む。全世界的な現象だ。若者を満足させる政治が出てくるだろう」

--韓国に初めて来た時、最も理解しがたかったことは。

「今はかなり慣れたが、店で食事をして酒を飲む時、大きな声を出すということだ。もちろん会えてうれしいからそうだろうが」

--韓国人を「アジアのイタリア人」「アジアのアイルランド人」ともいう。

「イタリアの人たちと似ている。アイルランドの人たちは静かだ。酒は好きだが、静かに飲む。恥ずかしがり屋だ。韓国の人は熱い。特に50代の人たちが」

--韓国人と日本人を比較すれば。

「一見、似たところが多い。飲食・住居環境だけでなく組織も似ている。ソウル大の教授だった頃、京都大での教授生活経験のおかげで容易に適応できた。違う点も多い。韓国人は楽天的だ。私が外国人だからそうかもしれないが、韓国人は日本人とは違い、知らない人にも親切(friendly)だ。2年前にコインロッカーを探せず困っていたところ、ある人が自分の事務室にカバンを保管してくれた。日本人も親切だが、何か『越えてはいけないライン』のようなものがある」

--韓国人はやはり情なのか。

「情とはまた違う。情は何かもっと深い関係を要求する感情だ。韓国人の親切は実際、表現しにくい」

--韓国人の「恨」はどういうものか。最も似ている英語の言葉は。

「この問題について数人が博士論文を書いたはずだ。『Remorse』などいくつかの言葉があるが、実際、私は韓国人から恨をそれほど強く感じない」

--現代韓国人はすでに恨から遠ざかったという意味か。

「そうだ。恨が韓国と他国を区別する差異点とは思わない」

--1980年代から2010年代まで韓国を経験してみると、どのような点が目を引くか。

「私は韓屋の保存に関心がある。メディアが『青い目の韓屋守り番』という表現で派手に飾ったりもした。韓屋保存活動をして感じたことは『公共の利益』と『個人の利益』のバランスが韓国社会でまだ不十分だという点だ。韓国はこれまで突っ走ってきた。個人の利益を中心に発展した。子孫に歴史を残すような公共の利益が重要だと考える。公共の利益が何であり、それをどのように社会的、政治的に確立できるかについての議論がやや不足している」

--日本の閣僚が周期的に妄言を吐く。日本が本当に民主主義国家なのか疑問が生じる。

「日本式の民主主義だが、日本は民主化され、公共の利益と個人の利益のバランスがとれた。高齢化のためさまざまな問題があるが、日本は欧州の福祉国のような感じもある。韓国にはあまり知られていないが、日本の進歩・左派勢力と共産党は韓国にさらに謝罪するべきという立場だ。日本は自国の位置づけに敏感な国だ。高齢化と経済力低下が進む中、中国の浮上に脅威を感じている。いつか『韓国と手を握らなければいけない』という公論が形成されれば、妄言も減ると思う。金大中(キム・デジュン)大統領当時、韓日関係が改善された。日本の大衆文化の開放で日本人も韓国に好感を抱くようになった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領時代には韓流ブームが起きた。政治問題と国民の交流を分離させる方法を探すのがよいのではないだろうか」

--今回の本は人生でどんな意味を持つのか。

「韓国の人たちと疎通できる機会ができて個人的にうれしい。自分自身をテストする機会でもあった。外国語で本を書くことが容易でないことを知った」

--どんな予想読者層を想定して本を書いたのか。

「当初は40、50代を考えたが、若い人たちも読みそうだ。この本の影響で若者が市民の権利をもう少し『個人』レベルで主張すればいい。実際、民主主義では集団より個人が重要だ」

--本には政治の話も多い。韓国の大統領を見て特に思い浮かぶことは。

「韓国の大統領は米国の大統領と大きな違いはない。金大中大統領は自分の路線に対する信念が強いという点でロナルド・レーガンと似ている。既得権の外側にいた盧武鉉大統領はオバマを連想させる。朴槿恵(パク・クネ)大統領は私にはあいまいな存在だ。父親に対するコンプレックスがあるという点でややジョージ・W・ブッシュのようだ」

--英語が上達するためにはどうすればよいのか。

「自分の考えを伝えるのが英語教育と学習の中心とならなければいけない。韓国では発音など正確性を過度に要求する。そのためか英語学習者はあまりにも自信がない。発表・討論の機会や作文の経験を増やさなければいけない。問題は、韓国語でも自分の考えを書いてみる活動をしていないため、英語で突然しようとするともっと無理があるという点だ」

--韓国語・日本語が上達した秘訣は。

「学習方法を開発した。一人で新聞を読み、読解を中心に勉強した。語彙を広め、韓国人・日本人と対話する機会を積極的に見つけた。リスニングはそれほど深く考えなかった。ただ日常生活の中で慣れた」

- 中央SUNDAY第474号


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Posted by wamindan at 09:39│Comments(0)ニュース
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